相続登記のために収集した書類は、他の相続手続でも必要となります。
例えば、銀行で預金口座の解約・払戻の手続をする際、戸籍書類や遺産分割協議書、印鑑証明書の提出が求められます。
相続登記で法務局に提出した書類を返してもらえると便利ですよね。
相続登記で法務局に提出した戸籍などの書類は、原本還付という手続をすることで返却してもらうことができます。
この記事では、原本還付のやり方について解説します。
※本記事は、公開時点での法令等に基づいて作成されております。最新情報については、専門家にご相談いただくか、ご自身でご確認ください。
原本還付はどうやるの?
原本還付を希望する場合、以下のようにします。
- 原本のすべてのページをコピーする
- 原本とコピーを提出する
コンビニで発行された書類は、裏面のコピーもする必要があります。
コピーには、原本と相違ない旨の記載と申請人の署名または記名押印が必要です。
具体的な書き方は後述します。
原本還付できない書類はある?
通常、相続登記を申請するときに原本還付してもらえない書類はありません。
- 戸籍謄本等
- 住民票(除票)
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書
- 遺言書(検認済証明書)
など、基本的にすべて原本還付の対象となります。
原本還付は後からできる?
原本還付を希望しない場合、提出した原本は法務局に保管され、返却されません。
原本還付を希望する場合は、登記申請時にコピーを添付し所定事項を記載しておかなければなりません。
登記が完了してからやっぱり返却してほしいということはできないので注意してください。
具体的な書き方
登記所にとりに行くか、郵送で受け取るかによって書き方が異なります。
具体的な書き方と注意点は以下のとおりです。
共通
原本を返却してほしい書類のコピーをとって、このように書きます。
「原本還付を希望します」
「上記は原本と相違ありません」
重ねたときに一番上になる書面に書けば大丈夫です。
あとは申請人の氏名を記入し申請書と同じ印鑑で押印します。
1枚ごとに契印をして、申請書(と貼用台紙)に合綴します。
申請書と添付書類の間に契印は不要です。
登記所で受け取る場合
特に書くことはありません。
注意点としては、書類を受け取る際に申請書に押印した印鑑と身分証明書(運転免許証など)が必要となります。忘れると書類の受け取りができないため、忘れないようにしましょう。
郵送で受け取る場合
その他事項欄に以下のように記載します。
送付の方法による登記識別情報通知書の交付を希望する
送付の方法による登記完了証の交付及び添付情報の原本還付を希望する
送付先 申請人住所
申請人の宛名を記載した返信用封筒を同封するのを忘れないようにしましょう。
また、返信用封筒には、書留郵便+本人限定受取郵便の切手を貼付しておく必要があります。
本人限定受取郵便を受け取る際は、身分証明書の提示が求められます。住所や氏名が異なると受け取りができないため、正確に記載するようご注意ください。
まとめ
原本還付の手続を正しく行うことで、戸籍などの原本を返却してもらうことができます。
返却された書類は、そのまま他の相続手続に利用することができますので、銀行や証券会社等、複数の機関に書類を提出しなければならない場合でも、余分に取得する必要はありません。
効率よく手続を進めることができるため、積極的に活用してください。
この記事が参考になれば幸いです。
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