相続登記を司法書士に依頼したときの費用は?

A. 事務所によりますが、費用が抑えられる場合と費用がかかりやすい場合があります。

相続登記の内容や事務所ごとの報酬体系によるので、一概には言えません。

相談料がかかる事務所、初回相談は無料の事務所、前払いの事務所、後払いの事務所、着手金をとる場合、とらない場合など、報酬については事務所によって様々です。

ですが、これまで司法書士として相続登記を受任してきた中で、費用がかかりやすいケースもあれば、費用が比較的抑えられるケースもあります。

この記事では、相続登記を司法書士に依頼したときの費用について、簡単に説明します。

目次

報酬と税金の合計を支払う

まず、司法書士事務所に依頼をするときに覚えておいてほしいことがあります。

それは、依頼者は事務所に対して、報酬と税金の合計を支払うということです。

税金は、登記申請時に納める登録免許税のことです。

登録免許税は、司法書士に依頼しなくても発生する費用であり、いわば必要経費ですので、税金の部分は一旦置いておいて、純粋な報酬部分について話を進めていきます。

一番安い事務所と一番高い事務所

司法書士に相続登記を依頼する場合の報酬をはやりのChatGPTに調べてもらったところ、以下のようになりました。

  • 最小値:38,500円
  • 中央値:55,000円
  • 平均値:約66,000円
  • 最大値:165,000円

38,500円から165,000円とかなり大きな違いがあります。

司法書士事務所の報酬体系や地域差もあるでしょうが、正直、案件ごとに相続人の数や不動産の数も異なるのであまり参考にならないような気がします。

事務所に行って相談してみると、電話で問い合わせたときに聞いた金額と全然違ったという話も耳にします。

電話やメールで全ての事情を聴くのは無理がありますので、相談時に詳しく話を聞いてみないと案件の全体像が把握できず、報酬を案内することができません。

安ければ安いほどいいという話ではありませんので、相談したときに丁寧に説明してくれるか、信頼できる事務所なのかという点を重視して決めるのがおすすめです。

相続登記の内容による違いは?

相続登記の内容による違いについて、どのような場合に費用が抑えられるのか、費用がかかりやすいのかについて(あくまで参考程度ですが)個人的な経験をもとにまとめてみました。

費用が抑えられるケース

司法書士への報酬が比較的低く抑えられるのは、以下のような場合です。

  • 不動産の数が少ない
    ex.)相続する不動産が自宅のみである場合
  • 不動産の価格が低い
    ex.)自宅が築40年の木造建物である場合
  • 相続人の数が少ない
    ex.)相続人が子一人のみである場合
  • 遺産分割協議書を作成しない
    ex.)法定相続で登記する場合
  • 必要書類の取得を依頼しない
    ex.)戸籍謄本を自分で集める場合

費用が高くなるケース

司法書士への報酬が高くなるのは、以下のような場合です。

  • 不動産の数が多い
    ex.)他管轄に相続登記を申請する場合
  • 不動産の価格が高い
    ex.)都心の戸建てである場合
  • 相続人の数が多い
    ex.)兄弟相続で代襲相続も発生している場合
  • 相続関係が複雑
    ex.)半血の兄弟が相続人となる場合
  • 遺産分割協議書を作成する
    ex.)相続人の一名が不動産を取得する場合
  • 必要書類の取得を依頼する
    ex.)書類の取得から丸投げしたい場合

ざっくりいうと、工数が増える分報酬も高くなります。

司法書士の仕事はとにかく「確認」が重要です。

不動産や相続人の数、書類の数が増えるとその分確認しなければならない量が増え、工数が掛かるため費用が高くなります。

必要書類の取得については、書類の通数に応じて報酬を加算する事務所もあります(例えば、戸籍1通2,000円)ので、費用を少しでも抑えたい方は、自分で集めるのがおすすめです。

(おまけ)結局費用が高くなるケース

半分余談みたいな話になるのですが、結局費用が高くなるケースというのもあります。

どういうことかというと、費用を抑えようとして自分でいろいろ集めたり、作ってみたりしたけれど、実は全然足りてなかったり作り直しが必要な場合は、費用を抑える効果は大きくありませんよという話です。

司法書士の立場からすると、自分が集めていない・作っていない書類は結構怖かったりします。自分が作っていないからこそより注意深く確認をします。

この「確認」という工程は変わらない(むしろ増える?)ため、司法書士に依頼する前に自分で書類を揃えておけば費用が大きく安くなるということはありません。

また、せっかく作った書類(例えば、遺産分割協議書)も作り直しが必要になればただの骨折り損です。残念ですが、そのためにかけた時間や労力は無駄になってしまいます。

さらに結局費用がかかってしまうため、初めから司法書士に依頼した方がトータルで得をするということもあります。

まとめ

相続登記を司法書士に依頼するときの報酬は、事務所によって異なりますが、工数が増えると高くなる傾向があります。

必要書類を自分で取得するなどの工夫によって、費用を抑えることが可能です。

また、複数の司法書士事務所に見積もりを依頼することで、少しでも安い費用で相続登記を済ませることができます。

ただし、価格だけにこだわるのではなく、相談したときに丁寧に説明してくれるか、信頼できる事務所なのかという点を重視して決める方が結果的に満足が得られるのではないかと思います。

相続登記の司法書士費用について考えるときに、この記事が参考になれば幸いです。

見積をとるときは、相続する不動産の固定資産評価証明書を用意しておくとスムーズです。

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