相続登記を自分でやる流れは?

A. 事前準備から法務局への提出まで、主に6つのステップがあります。

相続登記を自分で済ませたいと考えている方は少なくありません。

基本的には専門家に依頼すべきですが、自分でやる場合の参考になればと思い記事を作成することにしました。

この記事では、全体像を把握できるよう相続登記の流れについて簡単に説明します。

目次

不動産の調査

まずは、相続登記の対象となる不動産の内容を把握します。
具体的には、以下の書類を準備します。

  • 登記簿謄本(登記事項証明書):法務局で取得
  • 固定資産評価証明書:市区町村役場で取得

登記簿謄本(登記事項証明書)で現在の権利状況や被相続人がどのように記録されているのか(住所や氏名に変更はないか)などを確認します。

固定資産評価証明書は、登記を申請する際に納付する登録免許税の計算に必要となります。登記を申請する年度のものが必要となりますので、取得するタイミングにはご注意ください。

亡くなった方の所有していた不動産が正確にわからない場合、まずは権利証を探したり、市区町村役場に名寄帳を請求して、後に登記漏れが問題とならないようにすることが大切です。

相続人の確定(戸籍謄本等の収集)

次に、被相続人(亡くなった方)の戸籍を出生から死亡までさかのぼって取得します。その他、相続関係を特定するために必要なすべての戸籍も取得する必要があります。

戸籍の収集は思いのほか時間と手間がかかります。途中で本籍地が変わっている場合、原則として本籍地ごとに請求する必要があります。

新しく始まった広域交付という制度によって、戸籍集めがとても楽になりましたが、利用できない場合もあるため注意が必要です。

こちらの記事にまとめましたので参考にしてください。

遺産分割協議書の作成(必要な場合)

法定相続分どおりに分けない場合は、相続人全員による遺産分割協議の結果に基づき、遺産分割協議書を作成する必要があります。

法定相続分は以下のようになります。

相続人が配偶者と子ども  1:1の割合

相続人が配偶者と親    2:1の割合

相続人が配偶者と兄弟姉妹 3:1の割合

不動産に関していえば、複数の相続人が法定相続分の割合で相続する=共有になるということですので、基本的には遺産分割の方法によることが望ましいと考えられます。

遺産分割により単独の所有者を決める場合は、遺産分割協議書の作成と相続人全員による署名押印、全員の印鑑証明書が必要です。

遺産分割協議書についてはこちらの記事も参考にしてください。

登記申請書の作成

法務局に提出するための登記申請書を作成します。

被相続人・相続人の氏名や原因(被相続人の死亡日等)、不動産の情報などを正確に記載する必要があります。

自分で登記申請書を作成するには、インターネットで検索したり、法務局の登記手続相談を利用するといった方法が考えられます。

法務局の相談を利用する場合は事前予約が必要ですので、最寄りの法務局にお問い合わせください。

書式は法務局のホームページでも入手可能です。

登録免許税の納付

登録免許税とは、登記を申請する際に納付する税金のことです。

不動産の固定資産評価額の0.4%が原則です。また、課税価格(固定資産評価額)は1,000円未満切り捨て、登録免許税(計算結果・実際に納付する金額)は100円未満切り捨てです。

収入印紙を郵便局や法務局で購入して申請書に合綴する貼用台紙に貼り付けます。

特例の適用がある場合は、税金がかからないこともありますので、ご確認ください。

登録免許税についてはこちらの記事も参考にしてください。

法務局へ提出する

以上の書類一式を不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。
窓口提出のほか、郵送でも可能です。

管轄を間違えた場合、登記は却下されます。通常は取下げを促されますが、いずれにせよ、正しい管轄法務局に申請し直す必要があります。

また、書類に不備がある場合は補正(やり直し)を求められることがあり、場合によっては何度も法務局へ足を運ぶ必要があります。不備がないよう事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

管轄法務局の探し方についてはこちらの記事も参考にしてください。

まとめ

以上、相続登記の流れについて簡単にみてきました。

  • 不動産の状況について確認し
  • 相続関係を確定させ
  • 書類を作成し
  • 登記を申請する(登録免許税の納付)

相続登記の流れ自体はシンプルですが、書類の収集や作成には時間と手間がかかりますし、不備があれば補正しなければなりません。

むしろ怖いのは、不備がなければ登記はできてしまうということです。登記官には形式的審査権しかないため、書面上の不備がなければ基本的に受理せざるを得ません。

つまり、一旦登記が完了しても、後になって問題が発生する場合もあるということです。

平日に役所や法務局へ何度も足を運んだり、そのたびに長時間待たされるのも面倒ですし、安心をお金で買うという意味でも、専門家へ依頼することをおすすめします。

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